居宅療養管理指導とは?【消費税10%最新版】

居宅療養管理指導イメージ

高齢化が進み、在宅医療のニーズは急速に高まっています。

そこで今回は、在宅医療に深く関わる「居宅療養管理指導 」 について解説していきます。

※保険の種類により「居宅療養管理指導(介護保険)」「在宅患者訪問薬剤管理指導(医療保険)」と呼ばれていますが、サービスに大きな差はありません

居宅療養管理指導とは?

居宅療養管理指導について、厚生労働省老健局は下記のように定義しています。

「要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医師、歯科医師、薬剤師、看護職員、歯科衛生士又は管理栄養士が、通院が困難な利用者に対して、その居宅を訪問して、その心身の状況、置かれている環境等を把握し、それらを踏まえて療養上の管理及び指導を行うことにより、その者の療養生活の質の向上を図るものでなければならない。」

厚生労働省老健局「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成30年1月18日)より引用

介護が必要な患者さまの中には、住み慣れた自宅で過ごしたいと考える方が少なくありません。入院治療、通院治療に次ぐ、第三の選択肢として在宅治療を選ぶ方が増えています。

「自宅で過ごしたい」という意思は尊重すべきもの。だからこそ、医師や看護師などが患者さまのご自宅を訪問し、日常生活を送れるようサポートすることが求められています。

そうした中で、薬剤師の役割は、服薬に関する適切なケアです。処方箋に基づく薬剤管理、服薬に関する相談に応じるほか、体調や副作用の確認や残薬の調整などを行います。

対象者/利用料金について

・対象者

居宅療養管理指導の対象者は、要介護1~5の認定を受けている65歳以上の高齢者です。要支援1~2を受けている方は、「介護予防居宅療養管理指導」が適用されます。

また、65歳未満の方でも利用対象となる場合があります。介護保険に加入する40歳~64歳の方で、パーキンソン病、関節リウマチ、末期がんなどを含む16種類の特定疾病のいずれかにより要介護1以上の認定を受けた方が対象となります。

・利用料金

居宅療養管理指導の費用は、介護保険サービスと同様に介護報酬単価の1割~3割負担となっています。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に併設しているなど同一建物内の事業所から派遣される場合は、費用はやや低く設定されています。

病院又は診療所の薬剤師が行う場合(月2回まで利用可能)

(1)単一建物住居者(1人) 560円
(2)単一建物住居者(2~9人) 415円
(3)単一建物住居者(10人以上) 379円


薬局の薬剤師が行う場合(月4回まで利用可能)

(1)単一建物住居者(1人) 509円
(2)単一建物住居者(2~9人) 377円
(3)単一建物住居者(10人以上) 345円


※上記はいずれも1割負担の場合(2019年10月~)

※居宅療養管理指導は介護保険対応ですが、介護保険の支給限度額の対象に含まれないため、他のサービスで介護保険の支給限度額を満額利用していても、訪問限度回数を超えなければ1割~3割の負担で利用することができます。

利用方法について

・サービス開始までの流れ

1.担当のケアマネジャーや主治医に相談

2.ケアマネジャーが状況に応じて、訪問してくれる医師や事業所を探す

3.事業所側が対応できるか確認

4.契約・利用日の決定

5.主治医の指示に基づくサービス開始

・事業者を選ぶ際のポイント

●契約について下記の説明があるか
・サービス内容や料金
・苦情受付
・キャンセル時の対応、料金
・事故発生時の対応
・契約書、重要事項、個人情報の取り扱い など
●利用者に対する態度や言葉遣いは丁寧か
●訪問時間を守れているか
●周囲で利用している方からの評判や口コミなどの評価は良いか

薬剤師の役割

【1】医薬品の供給

処方箋に基づき、お薬や衛生材料、医療機器の供給や管理を行います。外出が困難な方でも問題なく治療を受けられるように、サポートをすることが主な役割です。経腸栄養剤や重量のある薬剤などをお届けすることもあります。

【2】調剤

一包化をはじめ、患者さまの服薬状況に合わせた調剤を行います。「指示通りに服薬できない」などの問題を患者さまが抱えていれば、服薬カレンダーを用いた服薬管理や剤型変更(OD錠や顆粒剤など)の提案など、様々な角度から問題解決を目指します。

【3】服薬指導

処方箋に基づき、患者さまがしっかりと薬物治療を受けられるようサポートします。在宅訪問のメリットは、薬の効果や副作用だけでなく、食事・排泄・睡眠などの状況を確認できること。外来調剤よりも一歩踏み込んだアドバイスが行えるでしょう。

【4】処方薬変更提案など

患者さまの状態や服薬状況によって、薬の種類や用法・用量などの変更を提案することもあります。また、より患者さまのためになるようケアプランを変更する際、医師やケアマネジャーに情報を共有したり、薬学的見地からアドバイスしたりすることも大切です。

まとめ

居宅療養管理指導の最大のメリットは、自宅にいながら医師や薬剤師などの医療専門家の健康管理や指導を受けられることです。

通院が困難な方が日常生活を送れる上で欠かせないサービスと言えるでしょう。

その中で、薬剤師に求められるのは服薬サポートだけでなく、効果や副作用を含めた患者さまの状態チェック。

訪問時に得た情報を、医師や看護師などに共有し、患者さまのQOL(Quality of Life=生活の質)やADL(Activities of Daily Living=生活上の基本的な行動)の向上に取り組むのも大切な役割です。

高齢化に伴い、居宅療養管理指導の需要は更に増えることが予想されます。

在宅医療に携わる者として、知識やスキルをしっかりと身につけておきましょう。